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【お客様事例③】「青果+テイクアウトフード」の出店事業計画書の作成支援

2023年12月 11日

これまで当社では様々な業種・業態の企業様から、新規事業の検討や社内体制の見直しなどのご相談をいただき、お客様とともに取り組んでまいりました。

お客様事例の第三弾として、事業計画書の作成支援をさせていただいたウィールカンパニーの代表 水津 満共さんにお話をお伺いいたしました。

ウィールカンパニー 企業情報
所在地:大阪府吹田市津雲台7-5-16
従業員数:11名
URL:https://farman-kitchen-market.com/


-御社を設立された経緯についてお聞かせください。

水津代表:現在の事業を立ち上げる前は、アパレル業界に携わっており、直営店3店舗を統括する立場で、海外ブランドを日本のマーケットで成長させていく仕事をしていました。そんな中で、もっと日本の良さを広める仕事をしたいと考えるようになりました。わたしは島根県出身なのですが、ある時、島根県のブランド推進課に勤めている友人と一緒に地元の農家さんを訪問する機会がありました。もっと日本の良さを広めていきたい、地元に貢献したいと考えていたので、これを機にアパレルの仕事をしながら、2013年に副業として野菜の移動販売を始め、2015年に私自身が30歳になるタイミングでアパレル業界を辞めて独立開業、2016年に「FARMAN KITCHEN MARKET 1ST」を開店し、現在に至ります。


-まったく違う業界におられたので、独立当初は大変だったのではないでしょうか。

水津代表:アパレル業界にいた自分にとって、青果販売は分からないことだらけでした。また、自分が目指している店舗の構想はあったのですが、ベンチマークするお店がなかったため、様々な食品販売店に見学に行きました。
オーガニック食品を取り扱っている店舗を見学に行った時に、そこに買い物に来られる方が楽しそうではない、と感じました。主観ですが、来店されている方が、体に良いものを、オーガニックでないと、という一種の強迫観念を抱いていると思ったからです。これまでアパレル業界に勤めていたため、買い物は楽しいものであってほしい、という想いがあります。そこで、お客様はもちろんのこと、当店の販売スタッフも楽しい店舗づくりをしようと決めました。
当店は主に島根県産の有機野菜を取り扱っており、来店されるお客様に野菜の特徴や調理方法などをお伝えするなど、販売スタッフが積極的にお声がけをしています。農家の方たちが一生懸命育てた野菜の美味しさを伝えていきたい、という想いによるものです。食品販売において、全くの素人だったからこそのお客様への接客というアプローチだったと思います。こういった取組みによって、徐々に来店していただけるお客様が増えていきました。
また、アパレル業界での卸・販売は単価が高く、来店される頻度が低い商品ですが、食品は商品単価が低く来店頻度が非常に高い商品です。そのため、お客様の日常に寄り添うアプローチをたくさんしています。例えば、スーパーなどでは分量などの規格を決めて販売していますが、当店ではお客様に商品を手に取っていただきやすい適切な販売分量を導くため、お客様とのコミュニケーションや日々の営業を通じて検討し、販売しています。

 

-当社(COPELコンサルティング)にご依頼いただいた経緯を教えてください。

水津代表:2019年に大阪市中央区にてエスニック料理店を開店したのですが、コロナ禍で経営が厳しくなり2020年冬に閉店しました。コロナ禍の影響ももちろんですが、それ以外の部分でも飲食店経営の難しさを痛感しました。
そんな2020年は本当に厳しい時期でしたが、転換期でもありました。当店は、ミシュランに掲載されているような有名店にも卸しているのですが、緊急事態宣言などによって時短営業などを余儀なくされ、飲食店の顧客からの受注が激減しました。一方で、飲食店の顧客の売上が減少した分、ご自宅での食事の材料を購入されるため来店さ れる個人のお客様が増えました。そこで顧客である飲食店製のお弁当やお総菜などを店舗内で売り始めたところ、人気店の料理が自宅で食べられるということで非常に好評でした。当店でお弁当やお総菜を購入したお客様が、美味しかったのでと、お店に来たというお話を複数の飲食店からお聞きし、双方にとってメリットが大きいと感じました。
そこで、閉店したエスニック料理店の跡地に、オフィスワーカーの方をターゲットにした青果+テイクアウト商品の販売を行う店舗「FARMAN KITCHEN MARKET 2nd」を構想しました。
今までエスニック料理店として営業していたことから、店舗の改装や外観なども改修する必要があります。改修資金などを補助金から調達するため、事業計画書を作成しなければならない、ということで支援をお願いしました。結果として、事業再構築補助金を活用できました。

「事業再構築補助金」とは・・・ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を補助金。

 

-事業再構築補助金に採択されてからのお手続きはいかがだったでしょうか。

水津代表:自社の事業フェーズにおいて必要な経費だったので、補助金を活用できたのは非常に有難かったです。ただ、事業再構築補助金に採択されてから補助金が実際に入金されるまで、手続きがとても大変でした。しかし、その経験が今の事業に活かされています。

 

-現在の事業について教えてください。

水津代表:「FARMAN KITCHEN MARKET 2nd」も開店から1年ほどたち、当店のファンの方が徐々に増えてきたと感じています。それも、直接お客様に接している販売スタッフの意見を聞きながら、店舗運営をしているからだと思います。
現在、青果の卸・小売、お総菜などの販売だけでなく、島根県の販路開拓アドバイザーとして農家のみなさんのブランディングを支援しています。当社と取引のある有機農家のみなさんは、とても美味しい野菜をつくっているのですが、ブランディングが苦手です。例えば、ロゴデザインの制作、SNSやホームページでの発信、パッケージデザインを工夫することで、手に取ってもらいやすくなりますが、そこまで単独で対応できる農家の方は少ない。そのブランディング支援を行っています。
また、元々の店舗「1st」は住宅街、事業再構築補助金を活用して新たに開店した「2nd」はオフィス街にあり、売れる商品や時間帯が全く違います。まったく違う立地のノウハウが蓄積されたことによって、売れる商品・売れない商品、また売れやすい価格や分量が分かってきました。販売のフィールドを持っていることが強みとなり、農家のみなさんに「このような規格の野菜をつくった方が手に取ってもらいやすい」などのアドバイスができるようになりました。
パッケージデザインであれば、広告制作会社にお願いすればよいのではないか、と思われるかもしれません。当社は、販売のフィールドを持っているため、テストマーケティングまで支援できることが強みとなっています。新しい事業を行うときは、何かしら経費が掛かるため、そこで二の足を踏む方が多いのが実情です。自社で補助金を活用して事業を行った経験を活かし、適切な活用方法についてアドバイスができるようになったことも強みになっています。

 

-青果の卸・小売を通じて、地元に貢献したい、というお考えを強く感じました。今後の展望をお聞かせください。

水津代表:島根県出身で島根県のお仕事をさせていただいていることから、島根県にも拠点を置き、活動をしていきたいと考えています。具体的には、過疎化した村をお米づくりなどの農業を通じて活性化を図っていきたいです。
また、「FARMAN KITCHEN MARKET 1ST」で、「KIKI MARCHE」というイベントを月1回程度開催しています。そこでは、飲食店の顧客に出張していただき、当店にてお弁当やスイーツを販売しています。このような取組みを通じて、野菜や果物の美味しさを今後もお伝えしていきたいと考えています。

 

 -取材にご協力いただきましたウィールカンパニー様、ありがとうございました。

 ■取材後記■

今回、お客様の事例紹介として、ウィールカンパニー様をご紹介させていただきました。
ウィールカンパニー様は、自社で実施した補助事業のノウハウをもとに、自社と取引先の新規事業の創出に活用されている事例になります。
青果店を2店舗運営されていますが、どちらも青果店とは思えない店舗です。(当社担当者が最初に「FARMAN KITCHEN MARKET 1ST」にお伺いしたときは、オシャレな雑貨店さんと勘違いしました)そこで、試行錯誤をしながら、野菜の美味しさを伝えるという素晴らしい企画を展開されていますので、ぜひご注目ください。
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今後も当社では取材活動を積極的に行い、お客様の事例を随時ご紹介いたします。ぜひご覧ください。

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