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【お客様事例②】社内体制の改善に向けた事業計画書の作成支援

2023年11月 2日

これまで当社では様々な業種・業態の企業様から、新規事業の検討や社内体制の見直しなどのご相談をいただき、お客様とともに取り組んでまいりました。

お客様事例の第ニ弾として、事業計画書の作成支援をさせていただいた株式会社甲南の代表取締役 土谷 康郎さんにお話をお伺いいたしました。

所在地:兵庫県西宮市西宮浜3-12-1

従業員数:82名

URL:https://www.kounan.ne.jp/

 

-御社の事業内容についてお聞かせください。

土谷社長:当社は、スポンジを中心に様々な素材を用いて産業用資材・工業資材・生活関連用品などの加工・販売を行っています。対応できる範囲は幅広く、一言でいえば「スポンジの機能性を売っている」会社になります。スポンジは、防音性や対候性、衝撃を吸収する力など幅広い機能があります。その機能性を求めている企業や消費者からの要望にあわせて、幅広く対応をしてきました。そのため、主な顧客は、家電・弱電分野、土木・建設・住宅設備分野など多岐に渡ります。最近では、オリックスバファローズからご依頼いただき、頓宮裕真捕手の応援グッズ「TONGood!!」の製造も行いました。クライマックスシリーズでは初日だけで1200個売れたため、増産のご依頼をいただき反響の大きさに驚いているところです。

 

-御社は今年60周年の節目の年と伺いました。現在、取り組んでおられることをお聞かせください。

土谷社長:これまで当社は、「日本一無茶を吸収するスポンジ工場」を掲げて、様々な取組みを行ってきました。また、お客様のニーズにあわせて、どのようにしたらそのニーズに応えることができるのか、を素材や加工方法についての提案も行っています。例えば、当社はランドセルの部材も製造しているのですが、近年タブレットを入れるなど、大型化しているランドセルは、重量が問題となっていました。そのため、当社の製造部材の素材などの軽量化をご提案し、お客様に非常に喜んでいただきました。

現在、情報発信にも非常に力を入れています。コロナ禍中は展示会などの出展ができなくなったため、新規顧客開拓が難しくなりました。そのため、4~5年前からメールマガジンの発行は行っていましたが、2021年4月頃から広報をさらに強化しました。具体的には、当社は「すぽんじランド」というECサイトの運営を行っていますが、その専任担当者を置いたり、SNSでの発信や会社の企画にも力を入れています。当社のファンを増やしていきたいという想いのもと、ホームページInstagramで、お客様の事例や会社の取組みなどを積極的に発信しています。

現在は、展示会も再開されてきたので、「理想のすまいと建築フェア2023」(2023年6月8日・9日)に出展するなど、デジタル空間以外での情報発信も積極的に行っています。

 

-3年前に当社(COPELコンサルティング)にご依頼いただいた経緯を教えてください。

土谷社長:3年前(2020年2月頃)は、有難いことに受注数が増えていたと同時に、従業員の長時間労働が問題となっていました。私が事業承継して10年経過したころでもあり、会社を今後どのようにしていくのか、体制をどのようにしていくのか模索していた時期でもあります。そこで、まず従業員の長時間労働の原因のひとつとなっていた製造工程の洗い出しを行いました。その結果、非常に工程で手間がかかっていた型抜きの工程について設備を導入するという結論に至りました。そこで、初期導入資金を獲得するため、事業計画書を作成しなければならない、ということで支援をお願いしました。結果として、ものづくり補助金を活用できたのが大きかったですね。

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)」とは・・・中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助金。

 

-設備導入後のご状況はいかがでしょうか。

土谷社長:ものづくり補助金で導入した「ロール材連続型抜き機」は、現在も非常に戦力になっています。当時、建設分野の資材(サイディング)への対応が課題となっていたのですが、設備導入後、労働生産性が格段に上がり、生産点数も向上しました。結果、現在は建設資材を取り扱っているお客様からのお問い合わせも非常に多くなっています。

また、お客様からのお問合せのみだけでなく、会社内の雰囲気もかなり変わってきました。労働生産性が上がりワークライフバランスが整ったことで退職率も下がり、従業員のマインドが変わってきたのでは、と感じています。製造業では非常に珍しいのですが、10代~20代の若年層の従業員数が30人弱在籍しています。この3年間、当社の次世代を構築していくための器、つまり社内体制をつくっていたのですが、それがある程度完成形に近づいてきたのではと感じています。

 

-社内の雰囲気が変わってきたことで、意識されていることはありますか。

土谷社長:私は、会社にとって人材は財産だと考えています。先ほど申し上げたように、ワークライフバランスを整えたことで会社の雰囲気が変わりました。特に若年層の従業員は自己実現のために新しいことにチャレンジしたい、という意欲が高い。それを会社として、どのようにサポートし実現していくかが大切だと感じています。そのため、会社としても新しいことにチャレンジしていくべく、新製品の開発に向けて社内体制を整えているところです。

また、コロナ禍によって、コミュニケーションの取り方や考え方についても変化していると感じています。そのため、社員にコミュニケーションに関するアンケートを取り、会社としての取組みを緩やかに再開しています。コロナ禍のときはできなかったのですが、先日は経営計画発表会にて従業員の表彰や懇親会なども行いました。

また、新製品の開発を行うための設備導入を検討しています。現在は3D形状の製品を製造するとき、スポンジを貼り合わせて製造しているのですが、硬質スポンジを削ることで製造できるように設備の導入を検討しています。

 

-お話を伺っていますと「60周年を境にリスタート」という印象を受けましたが、今後の展望をお聞かせください。

土谷社長:さまざまなお客様のニーズに応えるべく、これまで社内体制づくりを行ってきました。今後は、社会貢献活動にも力を入れていきたいと考えています。当社は、スポンジを加工する過程で大量のスポンジの切れ端など産業廃棄物が出ており、その処理に日々多額の費用がかかっています。その廃棄する予定だったスポンジの一部を地元の幼稚園や保育所に寄附したところ、子どもたちの遊び道具や工作材料として軽くて安全なため、とても喜んでいただきました。この取り組みについて金融機関や行政機関にお話ししたところ、SDGsの観点から様々なところにお声がけいただいており、今後も推進していきたいと考えています。

-取材にご協力いただきました株式会社甲南様、ありがとうございました。

 

■取材後記■

今回、お客様の事例紹介として、株式会社甲南様をご紹介させていただきました。

株式会社甲南様は、自社の課題の洗い出しを行い、その課題解決に向けて設備投資や社内体制の改善活動を行い解決された事例になります。また、中小企業庁では労働生産性向上に向けた設備投資等に活用できる補助金の公募を行っており、それを有効活用された事例でもあります。

今後も当社では取材活動を積極的に行い、お客様の事例を随時ご紹介いたします。ぜひご覧ください。

 

 

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